1400字制限

最近の記事のほとんどが1400字を超えているのでタイトル無視も甚だしいが1400字「以下」に制限するとは言っていない

『横浜駅SF』書籍版2巻目が出るよ

昨年暮れに発売した小説『横浜駅SF』がなんか神奈川県を中心にずいぶん売れたらしく、このたび続編というか外伝というか、まあそんな感じの2巻目が出ることになった。 

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

横浜駅SF 全国版 (カドカワBOOKS)

 

この小説は漫画化も進行しており、そちらの1巻が同時発売することになった。 

横浜駅SF(1) (角川コミックス・エース)

横浜駅SF(1) (角川コミックス・エース)

 

 

ツイッター上の冗談として始めたのがこんな事になってしまって、いまいち気持ちの整理が追いつかない。知り合いに「なんでお前小説家になってんの? つーか早くあの論文書けよ」と何度も聞かれた。僕もよく分からない。話の流れで、としか言いようがない。どうやら人間は「話の流れ」で小説家になれるらしい。

もちろん、書籍化を前提としたWeb小説コンテストに応募して書籍になった訳だから、何かしら僕に「小説家になりたい」という意志があったのだろう。期間があまりに短くて覚えていないのだ。カクヨムに投稿したら、3日後に星海社の編集者が「これは絶対カドカワで書籍化しますよ、というわけでうちで新作出しませんか」と連絡が来て、ドタバタと小説家デビューが決まった。「なりたい」と思うヒマがなかった。

ちなみに星海社で書いた本がこれだ。

重力アルケミック (星海社FICTIONS)

重力アルケミック (星海社FICTIONS)

 

というわけで3冊の小説を出して、いま4冊目を書いている。比較すると研究者の仕事がろくに進んでない気がするが、小説を書く前からそうなので仕方ない。

小説は論文と違って書いた分がそのまま進捗になるので精神衛生に良いし、売上が収入に直結するのでモチベーションが維持しやすいし、何より日本語で書けるのがいい。将来が危ういのは小説家も研究者も似たようなものだ。なりたいと思う暇はなかったが、なって良かったとは思っている。

こないだアジアの某国に行ったら、書店に自国語の本がほとんどなくて、英語の本ばかりが並んでいた。こういう国に生まれていたら僕は小説家になれなかったのだろう。もう10年早く書いていたら、ネットで話題になったかもしれないが、本にはならなかっただろう。そういった意味で色々なものに恵まれている。

様々なものに感謝しなければならない。編集者とか読者とか、出版社とか書店とか、社会とか時代とか。様々すぎて全体像がつかめないので、手近な代表者としてキリスト教の神に感謝することにしている。アーメン。