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「その情報量は Twitter のなんと10倍... つまり人類はすべて平等に無価値ということだ」

小説新人賞に対するひとつの提案

現在、小説投稿サイト「カクヨム」では第1回Web小説コンテストというものが行われている。約1ヶ月の「読者選考期間」を経て上位に入った作品から編集部の「最終選考」で受賞作を選ぶシステムである。

読者選考期間は4月7日までなのであと4日で終わるわけだが、ここにきてある応募者の選考システムへの要望が話題となっている。

kakuyomu.jp

要約すると「読者選考は相互評価などによる不正が蔓延していて純粋な読者が少ないのでシステムとして破綻している」という主張である。このランキング不正の訴えに多くの共感レビューがついて、週間ランキング「エッセイ・ノンフィクション」部門で本日の1位にランクインしている。おめでとう。

わざわざ最初から「読者選考でやります」と大々的に宣伝してる賞に応募してから「読者選考は不当だ」と言い出してる人が結構いるらしい。僕がざっと読んだ限りではランキング上位の作品は概ね面白いし、仮に何作かが不正でランキングを上がってきても編集部が最終選考で弾けば何も問題ない気がするが。

しかし彼らとしても数ヶ月準備してきたであろう長編小説が全く読まれず評価されないとなると感情的に許容できないだろう。そこで僕なりに「こういう人のための小説新人賞」を考えてみた。

まず「全部の作品を精読してほしい」というのが要望らしいが、一般的な新人賞でも全作品を精読しているとは到底思えない。何百もの応募作から「受賞に足る作品」を選ぶだけなのだから、ざっと見て面白くないと分かる作品はすぐ弾かれていると判断すべきだろう。給料の出る下読みがやってるからこそ、その程度の効率化は当然だ。

そこで本コンテストは読者に委ねているわけだが、読者はボランティアなのでタイトルや紹介文をパッと見て面白そうな作品しか読まない。従って「一見退屈だが、きちんと読んでくれれば面白いと分かる!」と思ってるあなたの作品は読まれない。

ここでの問題は要するに「読み手の人件費が足りない」「応募作が多すぎる」ことだ。これを一挙に解決する方法は「応募者から参加費を徴収すること」である。これにより

  • 応募作品数が減る
  • 金を払う程度の自信作しか応募されないので、平均的な質の向上が期待される
  • 参加費を審査の人件費に回せる
  • よって各作品が精読される

となる。おお、こんな良いアイデアをなぜ誰もやらない? と思ってたらやってる人がいた。

www.boiledeggs.com

参加費は7000円。原稿用紙200枚から500枚なので6万〜20万字程度の長編か。1名の審査員が応募作すべてに目を通し受賞作を選び、それを10社の出版社が入札により書籍化するというシステムらしい。

年に1〜2回開催されていて、過去の応募作を見てみると概ね50〜100作ほど。毎回数作には詳細なコメントが添えられているので、概ね精読されていると考えていいのだろう。というわけで、冒頭の記事に賛同されている方は、こういうタイプの賞に応募してみるのは如何だろうか。ライトノベル的な傾向の強いWeb小説とはだいぶ方向性が違う気がするが、カクヨムにもどう見てもラノベでない何かを上位にぶちこんでる人は多い。書く側にも読む側にもそのくらいの鷹揚さはあっていい。

要するに、運営側が賞の方針を選べる程度には応募者も賞を選べるのだから、根本的な賞のあり方に文句を言うより自分に合った賞を探すほうがよほど効率的である。